そこに私たちが映っていた ──日本の宝物を後世に遺す──
貴重な写真405選に収められた明治期日本の姿。
世界が注目した美しい日本の風景がここにある。
歴史としてしか認識していなかった明治がたしかな手ごたえをもって、見る人に迫る!
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明治を遡る事15年、黒船が来航。泰平の世に衝撃が走った。
開国を巡る騒動の中、日米修好条約が締結され、条約に基づき長崎、横浜、箱館が開港。長崎、横浜に外国人居留地がつくられた。
写真の歩みはまさに居留地の歴史とともにあった。
開港場では商取引が始まり、日本の情報が求められる中、開港間もない日本の風景が海外の報道機関に提供され、開港地で住民や渡航者向けに販売された。そのため、幸か不幸か、多くが開港地から国外へと流失した。
そこには失われた日本を映す時代の鏡が残されていた。
明治期以降、世界は戦争の世紀を迎え、日本でも江戸は葬り去られていった。
侍屋敷が取り壊され省庁の建物に入れ替わった。
散髪脱刀令が布告された。郵便制度の開始、鉄道の開通と変化は枚挙にいとまがない。
江戸の風に替わって、新しい時代の風が吹き、風景は大きく様変わりした。
しかし、海外に渡った写真は運命に導かれ、再び海を渡り日本にもたらされた。
貴重な405選の写真には、人々の凛とした暮らしぶりが際立つ、かつての表情豊かな日本人の顔が映っていた。
鶏卵紙から立ちのぼる時代の空気はやわらかで、8×10の幅広い階調から立ちあがる景色は味わい豊かである。
歴史の証言者ともいうべき、貴重な古写真を通じて、私たちはいま明治期日本をリアルに体感することができる!
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『THINGS MEIJI 』明治写真405撰
刊行:2024年6月9日
A4変形判上製版:360ページ
定価:本体9,800円+税
出版社: エイアンドエフ
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